疫病とは
植物の疫病は、主にPhytophthora属の卵菌によって起こる病害です。卵菌は糸状に生育しますが、分類上は一般的な糸状菌とは異なります。作物と病原体の組み合わせによって、葉、茎、果実、地際部、根に現れる症状や発生適温が異なります。
主な症状
水浸状の病斑、急速な褐変、地際部の腐敗、根腐れ、萎れなどが代表的です。ただし萎れや根傷みは過湿、肥料濃度、他の病原体でも起こるため、症状だけで断定しません。
発生しやすい条件
遊走子が水中を移動する病原体が多く、降雨、泥はね、排水不良、過剰灌水、汚染水の移動が拡大要因になります。温度条件は病原体ごとに異なるため、疫病を一律に高温性と考えるのは適切ではありません。
診断の考え方
発生位置、圃場内の広がり方、根と地際部の状態、灌水や降雨の履歴を確認します。重要な作物では診断機関による同定も検討します。
予防と防除
健全苗の使用、排水改善、泥はね防止、器具や残さの衛生管理を基本にします。農薬を使う場合は、対象作物と病害に登録がある製品を選び、使用時期・回数・希釈倍率を守り、作用機作の偏りを避けます。